こんにちは。
「心を育て、心をつなぐ」がモットーの体育教師。
心先生です。よろしくお願いします。
こんにちは。
私は、学期末に書かなければいけない所見がとても苦手です。
何を書いていいかわからなくなる子がいたり、みんな同じような文になったり・・・
具体的に書こうとおもうと、何日もかかってしまい大変なんです。
どうすれば具体的な内容の所見を早く書くことができるのでしょうか?
所見は、教師の仕事の中でも時間のかかる仕事の一つです。
本当は、年に1回や廃止にして欲しいのですが・・・
私も教師を始めた頃は、「1時間考えて5人しか進まなかった・・・」「この子、書くことがない・・・」と悩んでいました。
しかし、今はこの方法を使うことで、40人の所見を約2時間程度で書くことができるようになりました。
一人ひとりにあった具体的な内容を書くにもかかわらず、一人あたり3分程度で終わるおすすめの方法「自己申告制所見」をご紹介します。
ぜひ、最後まで読んで見て、実践してみてください。
通知表所見の書き方がわからない人
具体的な内容が思い浮かばない人
いつも所見で、膨大な時間を費やしてしまう人
通知表所見に書く具体的な内容がでてくるようになる
所見にかける時間を大幅に短縮することができる
通知表所見とは
まずは、そもそも所見とは何かから確認していきましょう。
通知表の所見(しょけん)とは、学校等が生徒の日常生活の記録などをまとめ、行動の記録や様子などを生徒等本人及びその保護者へ文章で通知するために、担任によって作成されるもの
つまり、その学期に「生徒が頑張っていたこと」などを見つけ、そのことを「頑張ったね」と褒めてあげるようなイメージです。
昔は、本当に時間がかかっていました・・・
なぜ、所見に時間がかかるのか
所見を書く時に、もっとも時間がかかる原因は、
書くことがない
では、ないでしょうか。クラスの中には、誰がどう見ても活躍したとわかるような目立つ生徒もいれば、目立たない生徒もいます。
しかし、教師の前では目立たない生徒でも、教師には見えないところや人知れず頑張っていることはあるものです。その頑張りを見つけることが大切になります。
褒めるときの最も大切なポイント
褒める時に、最も大切なポイントは
相手が褒めて欲しいことを褒める
ということです。
これが極意です。
例えば、あなたがこの日のために用意したお気に入りの勝負服を着てデートに向かった時のことを思い出してください。
デートの相手と出会った時の相手の反応として次のうちどれが一番嬉しいでしょうか。
何も褒めてくれない
その腕時計かわいい(かっこいい)ね。とても似合ってるよ。
その服かわいい(かっこいい)ね。とても似合ってるよ。
間違いない私なら勝負服を褒めて欲しいです。みなさんもそう感じるのではないでしょうか。
理由は、相手がこだわっていたり大切にしているポイントを褒めているからです。
さらにいうと、
服のデザインが気に入っている人には、「すごいかわいい(かっこいい)デザインだね。」
服の色が気に入っている人には、「いい色だね。その色とても似合っているよ。」
服のブランドが気に入っている人には、「〇〇のブランドの服か〜。かわいい(かっこいい)ね。」
と伝えるときっと喜んでくれるはずです。
だからこそ、所見も生徒が頑張ったと思っているところや褒めて欲しいところを書くとより効果的なのです。
生徒が褒めて欲しいところを書くと、「この先生は、自分のことをよく見てくれている」と思い信頼関係を気づくことにも役立ちます。
逆に、生徒が全く思ってもいないことを褒めると、「この先生は自分のことをちゃんと見てくれていない。」と信頼関係を崩すケースもあるのです。
自己申告制所見
相手の褒めて欲しいところを褒めることの大切さはわかった。
でも、その褒めて欲しいところが見つからないから困っているんじゃないか。
という声が聞こえてきそうです。
私たちは、生徒とともに過ごし、生徒の様子や成長した変化を見ようとしています。しかし、40人の生徒の心の中まで見ることは非常に難しいものです。
そこで、私が行なっている方法は、
頑張ったことを自己申告してもらうこと
です。
生徒から聞き出すことで、生徒にしか知らない頑張りや、生徒が何に力を入れてどんなことを頑張っていたのかがわかるようになるのです。
具体的な流れ
学期のふりかえりを用意する
よく学期が終わる時に、「◯学期のふりかえり」という内容をおこなうことがあるのではないでしょうか。
私の働いている地域では、学期の終わりになると「個人のふりかえり」と「クラスのふりかえり」が行われます。
この時間がチャンスです。
よくある振り返りでは、
- チャイム着席はまもれましたか?
- 掃除はできました?
- 授業中に私語はしていませんか?
- 提出物はだしていますか?
といった、マイナスなことはしていませんか?というスタンスの振り返りが多くありました。
私は、学校とは成長する場であると考えているため、マイナスをゼロにすることよりも、ゼロからプラスにすることを大切にしたいと思っているため、このふりかえりにはあまり魅力を感じませんでした。
そこで、私がおこなった振り返りは、
頑張ったこと・成長したことを振り返る
ということです。ここに振り返りの時間を多く当てるようにしました。
大切なポイントは、
生徒に、いかに自分の成長に目を向けることの大切さを伝えることができるかどうかです。
ふりかえりの内容項目
私が用意する項目は次の3つです。また、私の勤務している自治体では、Google Workspaceが導入されているため、ふりかえりは、グーグルフォームを使って行いました。
以前は紙で行ったいましたので、紙でも同様のことは可能ですが、今回はフォームでのバージョンをご紹介させていただきます。
これが実際のフォームです。
https://docs.google.com/forms/d/1s73LrkpbpxzPJQ-3lGboLjUhvjnrEMdkClBebT4xAkc/copy
質問の項目は次の6つです。
学習面で1学期に頑張ったことは何ですか?
学習面で頑張ったことの具体的なエピソードなど、詳しく書いてください。
クラスの中で1学期に頑張ったことは何ですか?
クラスの中で頑張ったことの具体的なエピソードなど、詳しく書いてください。
その他のことで1学期に頑張ったことは何ですか?
その他のことで頑張ったことの具体的なエピソードなど、詳しく書いてください。
私はこの項目でふりかえりを行なっています。
他にも、自分のやりやすいようにカスタマイズしてください。
学期のふりかえりを行う
私は、ふりかえりを始める前に、このような内容の話をすることが多いです。
私は、「1学期の反省」ではなく、「1学期のふりかえり」といいます。
反省というと悪いところを直そうとうイメージが強くなるからです。
私たちは、自然と自分の「だめなところ」に目を向けてしまうことがあります。
もちろん、失敗してしまった時には、同じ失敗をしないようにすることも大切です。
しかし、ミスをしないことが大切なことではなく、あなたが成長することが大切なことです。
この1学期間に頑張ったこと、努力したことがたくさんあるはずです。
その努力の先に、「成長」があったはず。その「成長」は、「大きな成長」だった人もいれば、「小さな成長」だった人もいるかもしれません。
でも、人と比べて成長したからすごいわけではありません。
一人ひとりの個性があり、得意不得意がある中で、1学期が始まる前の自分より少しでも成長できたと思える点を探してください。
学校は、成長する場所です。だからこそ、頑張った自分を素直に褒めてください。
その「小さな成長」を自分で認めてください。
そして、その成果を積み重ねてすこしずつ「自信」に変えていきましょう。
では、1学期のふりかえりを始めましょう。
とにかく、魂をこめて話します。生徒は、自分が頑張ったことを、「これぐらいのことは、たいしたことがない」、「自分よりできる人はいる」と考えて、素直に自分の成長を認めることができない人もいます。
だからこそ、私たち教師が、
あなたの努力も立派な努力だよ。よく頑張ったね。
と背中を押してあげたいものです。
生徒が「素直に頑張ったことを書こう」と思えたらこのステップはクリアです。
私のこれまで持ってきたクラスでは9割程度の生徒がこれで黙々と自分の頑張ったことを書き出しました。
それでも書くことを悩んでいる生徒がいたらコーチングをしながら生徒の頑張ったことを引き出していきます。
実際に所見を書く
ここまでできたら全ての準備は整いました。
あとは実際に所見を記入していきます。
始めの文を書く
私はグーグルフォームで振り返りを行なっているので、フォームの回答がのっているスプレットシートで入力していきます。
まずは、始めの文を書きます。
「1年生になって初めての学期が終わりました。」
など、特にこだわりがはないのでなんでもいいです。
終わりの文を書く
次に、終わりの文を書きます。
「2学期には、文化祭など多くの学校行事があります。どんなことにも全力で取り組んでください。」
など、学校の状況に合わせて記入してください。
ここまでできたら、スプレットシートの全員分コピーしてしまいましょう。
生徒の振り返りを見ながら、それぞれの生徒が書いている具体的に頑張った内容を参考に所見を書く
上の画像のように、所見のスプレットーシートを用意します。
あとは、生徒が記入した三つの項目から頑張っている項目を2つ抜き出して文を作っていきます。
私の場合の所見の基本構成は次のようになっています。
- 始めの文
- 学習面では
- クラスでは
- 終わりの文
例えば、上の画像の桜木さんの場合なら、学習面の内容とクラスでの内容を順番に所見に入れていきます。
学習面 | クラス | 所見 |
2年生の時は1年間で3冊使ったけど、3年生になって勉強時間が増えて1学期で2冊を使い切って3冊目に入った。自主学ノートでは、復習や間違えたところのやり直しを行って苦手なところが少しでも減って得意なところを増やせるように頑張った。 | チャイム着席をして、チャイムと同時に授業を始められるようにタイマー係を作りクラスで回していく活動を行った。タイマー係では、みんなが続けられてチャイム着席が習慣になるようにルールややり方を考えるのを頑張った。テスト予想問題を作成して少しでもみんなのテストの点が上がるように、予想問題を解いただけでテストが解けるような予想問題を作ることを頑張った。 | 中学校生活で最後の1学期が終わりました。学習面では、これまでよりも自学自習ノートに取り組む時間が増えるなど、積極的に取り組むことができました。また、学習委員として、クラスとして、チャイム着席が習慣になるようにルールや方法を考えるなど主体的に取り組むことができました。2学期には、文化祭などの学校行事があります。行事にも勉強にも全力で取り組んでください。 |
この方法で行うことで、何を書いていいかがわからずに、パソコンの前で頭をか抱えているだけの時間がなるなります。
誤字脱字などのチェック
最後に誤字脱字のチェックを行います。
私が最も効率が良いと思う方法は、MacBookなどについている読み上げ機能を使って2倍速で読み上げてもらうことです。
読み上げ機能を使いながら文章をチェックすることで、比較的楽に誤字脱字を発見することができます。
あとは、出来上がったスプレットシートの所見を学校用のパソコンにコピーして、管理職のチェックをもらうだけです!
日頃から大切にしていること
今回は、所見を効率よく書くための方法をお伝えしました。
しかし、日頃の教育活動があってこそできるものです。
だからこそ、日頃から学校は成長するところであること。
成長するためには挑戦が欠かせないこと。
挑戦するには、安全が欠かせないこと。
などを伝え、根気よく指導していく必要があります。
https://www.heart—blog.com/gakkyuukeiei-ougonnomikkakan/まとめ
今回は、通知表所見を具体的かつ速く書く方法「自己申告制所見」について詳しく解説しました。私自身、教師を始めたことは所見を書くことに本当に多くの時間を費やしました。
もしかしたら、所見は「教師が自分で生徒のいいことを見つけて書くものである」と考えておられる先生もいらっしゃるかも知れません。
しかし、パソコンの前で時間を少しでも、生徒の前で過ごしたり、先生方も家に帰って自分の時間に当てて欲しいと思い紹介させて頂きました。
生徒達は、ふりかえりの内容から所見を書いていることは知らないので、「先生、こんなところまで見てくれているんですね!」とよく言われます。
みなさんの「自己申告制所見」を是非試してみてください。
最後まで、お読み頂きありがとうございました。