こんにちは。
「心を育て、心をつなぐ」がモットーの心先生です。
体育では子どもたちの安全確保をすることは最も大切なことの1つです。
その、安全を守るためには、子どもたちが指示を聞くことが必須条件になります。
授業をしていて、「あれ、生徒が話を聞いていないな」と思ったことはありませんか?
それは、生徒が聴く姿勢を作る前に話し始めていることが原因かも知れません。
授業規律が乱れたり、学級崩壊が起きる時には、聴く姿勢を作ることができていない状態で話し始めているケースがよくあります。
本日は、授業や学級経営ををする上で非常に大切な「聴く姿勢」について、説明します。
「きく」とは?
「きく」にはいくつかの漢字があります。
「きく」という漢字はいくつかあります。まずは、「聞く」と「聴く」の違いを理解しましょう。
辞書によると・・・
「聞く」・・・自然と声や音が耳に入ってくること
英語では「hear」→(意識しなくても)聞こえる
「聴く」・・・心を集中して、注意深く耳にとめること
英語では「listen」→意識的に聞く、聴く
つまり、
無意識で耳に入っている状態は「聞く」
意識して耳にとめている状態は「聴く」
授業中に先生や仲間の話をきくのはどちらかわかりますね?
当然、「聴く」が正解ですね。
「聴くことができた」の定義は?
では、どのような状態になれば「話を聴いていた」と言っていいのでしょうか?
それは、
「聴く」とは・・・相手の言っていることをそのまま言えること
だから、
心先生 「聴いていましたか?」
生徒「はいっ!」
心先生 「では、先ほど先生が言ったことを言ってみてください」
生徒 「それは・・・」
では、きいているとは言えないのです。
なので、
心先生 「聴いていましたか?」
生徒 「はいっ!」
心先生 「では、先ほど先生が言ったことを言ってみてください」
生徒 「はい。聴くとは相手の言っていることをそのまま言えることです」
となると、よく聴いていましたね。となるわけです。
もちろん、難しい話やあまりに長い話は、そのまま言うことは難しいかもしれません。
しかし、普通の会話程度なら、復唱できることが、聴いていたという証拠になるのです。
話を聞くための、3つの準備 「聴く姿勢」
では、人の話を「聴く」ために初めにすることは何でしょうか。
それは、話を聴く準備をすることです。つまり、「聴く姿勢」をつくることです。
何事も本番でいい成果を出すためには準備ができているかにかかっています。
そこで、聴く姿勢のポイントは次の3つを話している人に向けることです。
- 体
- 顔(目線)
- 心
1.体
〇 話している人に体を向ける
× 体は横を向いて、顔だけを話している人に向ける
人間は、首を横にひねるよりもまっすぐしているほうが楽です。
体が横を向いているままで首をひねっていては、だんだん疲れてきて目線がそれていきます。
これでは、集中力が持たなくて当然です。
だから、楽に相手の話を聞けるように体を向けましょう。
2.顔(目線)
〇 相手を見る
× 下を向く
私たちは、視覚から多くの情報を手に入れています。
ここで、有名な法則を紹介します。
カリフォルニア大学の心理学名誉教授であるアルバート・メラビアンさんによる法則です。
コミュニケーションにおいて相手に伝わるのは、
言語情報(Verbal:7%):話の内容、言葉そのものの意味
聴覚情報(Vocal:38%):声の質・速さ・大きさ・口調
視覚情報(Visual: 55%):見た目・表情・しぐさ・視線
私たちは、これだけ多くの情報を視覚から手に入れているのです。
つまり、より相手から情報を読み取ろうとすると、話している人の「見た目・表情・しぐさ・視線」を見なければいけないのです。
これらの情報を読み取るためには、相手を見ることが欠かせないのです。
だから、相手に顔を向けて、相手を見て話しを聴いてください。
3.心
〇 好奇心をもって相手の話を聴く
× ボーとしながら聞く
そして、最後に最も大切なものは心を向けることです。
人間の記憶には、長期記憶と短期記憶があります。人間の脳は、必要ではない情報を忘れるようにできています。そこで、記憶に残すためには、「この情報は大切な情報だ」と思わせる必要があります。
私たちは何か興味があるものに触れると、好奇心がかきたてられて、脳の中の報酬系と呼ばれるエリアが活性化します。
報酬系は人間のモチベーションをつかさどり、この働きが活発になるほどあなたのやる気がアップします。さらに、報酬系が活発になると海馬という記憶に大きく関係しいる部分も活発になります。
そして、記憶力が2倍にアップするといわれています。
だからこそ、あなたが話している人に「心」を向け、「面白そうだな」「これは大切な話だな」と好奇心をもって聴いて欲しいのです。
この3つを話している人に向けることができれば、準備完了です。
次は、実際に話を聞きましょう。
聴き方の5つのポイント 聴き方の「あいうえお」
聴き方の「あ・い・う・え・お」を意識すれば、相手は話しやすくなる
あ → 相手の目を見て
い → いい姿勢で
う → うなずきながら
え → 笑顔で
お → 終わりまで
相手の目を見て、
話す前に聞く姿勢をとっていたとしても、話している途中で、目線がさががったり、手元を見たりしてしまうと、集中力がどんどん切れていきます。
だから、話しを聞いている時も、目線はキープです。
いい姿勢で
実は、姿勢は本当に大切なのです。脳は多くの酸素を使って活動しています。その酸素は血液によって運ばれてきます。しかし、背中を丸めて姿勢を悪くしてしまうと脳にいく血流の量が低下してしまいます。これにより、集中力が低下してしまうのです。だから、人の話を聴く時には、背筋を伸ばしたいい姿勢で話を聴いてください。
うなずきながら
人の話を聴くことは、テレビを見ているように一方通行ではありません。あくまで、コミュニケーションです。つまり、キャッチボールをしなければいけません。もし、あなたが話している時にあなたの話をうなずいて聴いてくれる人がいると「この人は、しっかり話を聴いてくれている」と感じるのではないでしょうか。一気に話しやすくなるはずです。
笑顔で
これは、うなずきながらと同じです。相手にとって非常に話やすくなると思います。さらに、笑顔には気持ちを前向きにしてくれます。心身相関といって「心と体はつながっている」のです。嬉しいことがあった時に自然と笑顔になりますが、逆も起こります。笑顔になると心が明るくなるのです。だから、笑顔でワクワクしながら聴きましょう。
終わりまで
まだ人が話している途中で自分の話をする人がいます。まずは、最後まで話を聴きましょう。よく、グループワークをおっこなっている時に、まだ話している途中で割って話に入る人を見かけます。人間が、会話をしている時には、お互いが同じぐらい話している時に気持ちよく感じるものです。とにかく、最後まで話を聴きましょう。言いたいことは、そのあとで伝えましょう。
トレーニングは時間がかかるもの
聴く姿勢と「あいうえお」の話をしたのですが、すぐに効果がなくなりました。
どうすればいいでしょうか。
トレーニングには時間がかかるものと心得てください。
そして、子供の行動に対して、できているか、できていないかを判断して、声かけをしてください。
以前、ルールを決めたけど、子供たちが守ってくれません。という相談をうけることがありました。
そんなことは当たり前です。
今までやっていなかったことが、急に成長するとは思えません。
私たちが文字を書けるようになったときのことを思い出してください。
今は当たり前のように、文字を書いていますが、それは何度も何度もトレーニングを積んだ成長の証なのです。
できたら褒めて、できていなかったらアドバイス
指導はゴールではありません。
ここからが始まりです。
子供が聴く力を身につけるまで、私たち大人も子供と共に頑張りましょう。
指導したら、そこからが始まり
何かを説明したり、指導することは、子供たちに「きっかけ」を与えただけにすみません。
大切なのは、このきっかけをどうやって、定着させることができるかどうかです。
だから、言いっぱなし、説明して終わりにならないようにしてください。
指導 → 〇 できていれば褒める
指導 → × できていなければもう一度指導する(工夫は必要)
これを繰り返して初めて、「できる」に近づいていきます。
粘り強く指導していくことで、子供たちは必ず成長します。
子どもたちが「知っている」から「できる」になるまで、私たちも一緒にサポートしていきましょう。
今日はここまでです。
「きく」について理解できたでしょうか?
コミュニケーションの基本は、まずは話を聞くことです。
当たり前のことかもしれませんが、とても大切な力ですので、ぜひ身に付けてさせてください。